- Common cases
- よくある症例
質問1(上顆炎):66歳、女性です。特に思い当たる誘因なく右手で物を持とうとすると右肘から前腕にかけて痛みが出て、力がはいりません。様子をみていたがなかなか治らないので受診しました。
回答1
成人で肘が痛い場合、「上顆炎」のことが多いです。手首を反らしたり指を伸ばしたりする筋肉(伸筋群)は肘の外側(外側上顆)に付着し、手首を屈曲させたり指を握る筋肉(屈筋群)は肘の内側(内側上顆)に付着します。病態は筋肉が骨に付着する部分での痛みで付着部炎です。多くは外側上顆炎です(テニス肘という俗称があります)。
私は外側上顆炎も内側上顆炎も経験しましたが、日常生活にもいささか不便があり、スポーツ(ゴルフ)はほぼできませんでした。付着部炎は概して治りにくいという印象を持っていますが、私の場合治るまで約3か月かかりました。半年以上痛みが続いたり、治ってもまた再発を繰り返す人もおられます。
治療は、外側上顆炎の場合、手首や指を屈曲させて伸筋群をストレッチします。
また専用の装具が有効な方には処方します。外側上顆への物療(超音波やレーザー、近赤外線など)、ステロイド注射、また理学療法士によるリハビリも有効な治療法です。