- Common cases
- よくある症例
質問2(手根管症候群): 55歳、女性です。特に思い当たる誘因なく右手の指がしびれるようになり、痛みもあります。明け方に特に症状が強いです。手が使いずらい感じもあり、食器を洗っていてお皿を落とすことがあります。
回答2
まずはしびれの範囲、触った感覚が低下していないか、また、手の筋肉に委縮がないか、首の動きにともなう手への放散痛がないか等について診察をします。
手根管症候群の場合には、典型的にはしびれや感覚障害は小指以外の指に存在し、環指の親指側はしびれているが小指側はしびれていない場合は正中神経障害を意味し、手根管症候群の診断に有用な所見となります。
症状が進むと母指球が委縮してきます。母指の対立動作が難しくなり、母指と示指できれいな丸を作ることができなくなります。手根管(手首の曲がる側)を指で叩くと手指に痛みやしびれが放散したり、手首を強く曲げた状態でしばらくいると指先がしびれてきます。
ただし、必ずしも典型的な症状を呈するとは限らないため、頸椎など、他の場所が原因になっている可能性も考慮し、電気生理学的な検査を行って診断する場合もあります。
治療はまずは保存的な治療(手術をしない治療)を行います。投薬や手首の装具、手根管へのステロイド注射などです。筋肉が萎縮すると元にはもどらないため、委縮傾向があれば手術をお勧めします。