Common cases
よくある症例

2025.01.20

質問8(腰部脊柱管狭窄症): 70歳、男性です。他院で腰部脊柱管狭窄症と診断され、飲み薬等の治療も受けましたがあまりよくならず、手術も勧められました。できれば手術は受けたくありませんが、何か良い治療はないでしょうか?

回答8

 

腰部脊柱管狭窄症は多い疾患で、大学で手術をしていた当時、脊椎の手術の中で最も多い対象疾患が腰部脊柱管狭窄症でした。
では、腰部脊柱管狭窄症と診断されれば手術を受ける必要があるかと言えば、必ずしもそうではありません。
腰部脊柱管狭窄症の患者さんの経過を追ってゆくと、その4割は現状維持、3割は悪化、3割は改善するとの報告があります。

また、手術で良くなる人と良くならない人がいます。良くなる人の症状の特徴は、腰痛ではなく下肢の痛みが主訴、全く症状のない姿勢がある、しびれはない。で、良くならない人の特徴は、常に症状がある(姿勢によって変化しない)、下肢というより腰が痛い、下肢に常時のしびれがある、等です。
手術をお勧めするかどうかは、その方の症状が手術で良くなる見込みがあるか、罹病期間(長い間続いている症状はとれにくい傾向があります)、年齢や合併症などを考慮し、総合的に判断します。
70歳、男性の症状や病態は上記内容に照らしてどうなのか、良く話し合って、手術をその段階では選ばなかった場合には保存的治療を行います。
コルセットやブロックなどもありますが、保存的治療の柱は薬とリハビリです。保存的治療で少しでも症状を和らげながら日常生活を送り、時間をかけることで許容できる症状に落ち着いてくる方も珍しくありません。

 

 

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