- Common cases
- よくある症例
質問7(脊椎圧迫骨折): 90歳、女性です。昨日転倒し、救急病院を受診し、第1腰椎圧迫骨折と診断されました。自宅安静とし、明日、かかりつけの整形外科を受診するよう言われて来ました。痛くてたまりません。よく効く痛み止めはありませんか?
回答7
背骨の圧迫骨折の治療方針は「なるべくつぶさずに治す」ことです。
骨折の程度(後壁が壊れているか)や骨折のレベル(第11、12胸椎、第1腰椎は胸腰移行部と言われ、つぶれると背中が曲がりやすい)などを参考に検討しますが、受傷後2~3週間程度は安静をお勧めします。圧迫骨折した骨に負荷が加わると、さらに潰れてしまうからです。
特別な理由がなければコルセットを作成・装着してもらいます。圧迫骨折はすごく痛いため、よく効く痛み止めが欲しいとのご希望はよくわかりますが、もしよく効く痛み止めがあれば、痛くなくなり、自由に動いてしまいます。自由に動けば圧迫骨折した骨はさらに潰れます。潰れないように身体が痛みを出して折れた骨を守っているのです。
人の身体はうまくできています。逆な言い方をすれば、動いても痛くなくなれば、動いても良いというサインです。それでもある程度の痛みの軽減が得られるよう、飲み薬や注射の治療は行います。
上記のような治療が自宅で可能な方は自宅療養、お一人暮らしの方など、自宅療養の困難な方は入院治療等が必要になる場合があります。
さらに重要なことがあります。背骨の圧迫骨折は繰り返します。必ず骨粗鬆症の治療を行い、骨折の再発を防ぐ必要があります。